断熱リフォームもやってます。京都のデンザイン設計工務店、KEEL PROJECTです。
断熱リフォームは大規模なリフォームが必要不可欠だ。といった考えが広がっているように感じます。ただ、闇雲に内壁材、床材、屋根を取り払い、断熱材の厚みを増やせば快適な居住空間が生まれるわけではありません。
適切なアプローチを用いて、そこに住むお客さまがどういったライフスタイルを送っているのか、どうすればその悩みが取り払えるのか。など、お客さまのニーズ(問題点)に沿う必要性が高くなります。
KEEL PROJECTが考える断熱リフォームに必要なことは、快適性の向上です。
今回は断熱リフォームについて考えていきます。
目次
- 1. 換気システムの導入
- 2. 断熱のバランス
- 3. 湿度管理
- 断熱リフォームと新築住宅の断熱に対する考えかたの違い
- 断熱リフォームのメリットデメリット
- 断熱リフォームの効果を上げる2つの方法
- 気密性向上のメリット
- 気密性を向上させながら、特定の断熱を強化する
- まとめ
断熱リフォームには適切な設計、考え、方針が必要となります。基準となる必要最低限の情報を知ることで、何が必要なのかを明確にします。
1. 換気システムの導入
適切な換気システムの設計
断熱性を高めると同時に、室内の空気の品質を維持する必要があります。そのためには、適切な換気計画ができるための住宅の気密性の向上や、適切な換気設備の選定などが必要となります。
熱交換型換気システムなどを導入し、室内空気を新鮮に保ちつつ、エネルギー(室温)の損失を最小限に抑えることが必要です。
2. 断熱のバランス
断熱材の適切な選択と配置
過剰な断熱を避けるために、断熱材の種類、厚み、配置に注意を払う必要がある。建物の地理的条件、気候条件に合わせて最適な断熱材とスペック(厚みなど)を検討し、適切に配置することが重要です。
部屋ごとのニーズに合わせた断熱
全ての部屋に同じレベルの断熱を施す必要はありません。使用頻度、部屋の位置(日当たり、風向き等)に応じて断熱材のレベルを調整します。ただ、断熱効果の差が生まれすぎると、結露の誘因を招く恐れがあるため、専門的なプランニングが必要となります。バランスが重要ですね。
3. 湿度管理
湿度調整機能を持つ換気システム
特に冬場に室内が乾燥しやすい場合や、夏場に湿度が高くなる場合、湿度調整機能を持つ換気システムを導入することで、快適な室内空間を維持することができます。また、自然素材の利用も適度な効果は生みますが、期待されるほどの効果は期待できないと考えておきます。
こういったことを踏まえた上で、断熱リフォームを効果的に実現できる方法を紹介します。
断熱リフォームと新築住宅の断熱に対する考えかたの違い
まずは根本的な断熱リフォームと新築住宅でのエコハウス設計では、断熱に関する考え方やアプローチにいくつか違いがある。これらの違いは、主に既存の構造物の制約、予算の柔軟性、そして目指す環境性能のレベルによって生じきます。
断熱リフォーム
既存の構造に対する制約
断熱リフォームは、既存の建物の制約を受ける。そのため、最適な断熱材の選択や配置は、既存建物の状態に適応させる必要が高くなります。
段階的な改善
断熱リフォームは予算の都合上、生活への負担を考慮します。この場合、全体を一度に改修するのではなく、特定の部分やエリアを段階的に改善していくこと必要となります。このようなアプローチは、特にエネルギー効率の低い古い建物に有効となる場合が多いです。
コストと効果のバランス
断熱リフォームの計画では、コスト対効果の高い解決策を見つけることが重要となります。既存の構造を最大限に活用しつつ、エネルギー効率と居住性(体感)を向上させることを念頭に計画を進めることが重要です。
新築住宅の省エネ住宅の設計
総合的な設計
新築の省エネ住宅では、建物全体のエネルギー効率を最大化するために、断熱を含む総合的な設計を行う。材料選定や気密性などをクリアすることで、厳しい環境基準を満たすことを目的に設計を進めます。
先進的な断熱材と技術の利用
省エネ住宅では、高性能な断熱材の使用や、壁、床、屋根の絶縁性を最適化するための先進技術が採用されます。これにより、熱損失を最小限に抑え、一年中快適な室内環境を実現することが可能となります。
ただ、自然エネルギーを効率的に活用することが省エネ住宅には必要となるため、建築士の知識に頼ることとなる場合が多いです。
持続可能性とエネルギー自給自足
省エネ住宅の設計では、断熱だけでなく、太陽光発電や地熱利用といった再生可能エネルギー源の活用も重視する。これにより、エネルギーの自給自足や、CO2排出量の削減を目指します。
断熱リフォームは、既存の建物に合わせ、実現可能な範囲での効率的な改善を追求します。また、住まいての負担を最小限に抑えることも念頭に入れます。このように、段階的に快適性とエネルギー効率を向上させることを目指します。
新築のエコハウス設計では、断熱をはじめとする環境配慮型の要素を始めから組み込むことで、より高い環境性能を実現することがでます。また、より理想の環境を求めることで、満足のいく家づくりが可能となります。
紹介したように、断熱リフォームと新築住宅のエコハウスは目指すべき場所が違うということです。
住まいての「体感」をいかに快適と感じる部分にまで向上させるかが焦点となります。
断熱リフォームのメリットデメリット
断熱リフォームを検討する場合、しっかりとメリットデメリットを認識することが重要となります。
メリット
エネルギーコストの削減
断熱材の改善、追加による冷暖房効率の向上、電気代などのエネルギーコストの削減につながります。
居住環境の向上
室内温度の均一化により、安定した居住空間を実現できる。夏は涼しく、冬は暖かいといった体感の向上につながります。
結露の抑制
断熱性能が向上することで、冷えた外気と温まった室内空気の接触による結露をおさせることができる、これにより、カビの発生、腐食といったリスクの軽減にもつながります。
環境への貢献
エネルギー消費を減らすことは、CO2排出量の削減にもつながり、環境保護にも貢献します。
不動産価値の向上
断熱性能の高い住宅は、快適性とエネルギ効率の面などで魅力があり、将来的な不動産価値の向上が期待できます。
デメリット
初期投資の必要性
断熱リフォームは、資材や工事費用が必要となり、初期投資が大きくなりがちです。また、この投資が長期的な利益につながるかどうかは、リフォームの内容やエネルギーコストの削減額によるものとなります。このことから、施工側の知識、設計の正確性が求められます。
工事中の生活への影響
断熱リフォームは、壁や天井を取り払い、断熱を施行するといった場合が多くなりがちです。このことから、工事中生活などに影響が出る場合が多くなる場合があります。住まい手への配慮を計画に組み込むことが重要となります。
建物の特性による限界
既存の建物の構造やデザインによっては、希望する断熱性能を実現できないこともある。特に、古い建物では構造上の制約により、効果的な断熱リフォームを進めることが難しい場合があります。
断熱リフォームを検討する際には、これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、建物の現状、リフォーム後の期待効果、予算などを考慮して最適なプランを選択することが重要となります。
断熱リフォームも重要ですが、耐震も忘れてはいけませんね。
断熱リフォームの効果を上げる2つの方法
断熱リフォームを計画した時に、最も大切になるのは、そこに住むお客さまがどう感じるか。体感を意識する子が最も重要なこととなります。
そのためには、断熱効果を上げるよりもむしろ、気密性をあげることに注視するほうがメリットが大きくなります。
KEEL PROJECTが考えるのは、負担が少なく効果(体感性の向上)を感じられる断熱リフォームです。以下で効果の高まる断熱リフォームの方法を紹介します。
気密性向上のメリット
気密性を高めることによるメリットは大きく、比較的低予算での実行が可能。工事の影響(住みながらの工事となるため)を最小限に抑えつつ、居住空間の快適性を大幅に向上させることが可能となる
エネルギー効率の向上
気密性を高めることで、外気の侵入と室内の暖かい空気、冷たい空気の逃げるのを防ぐ。これにより、冷暖房システムの効率が向上し、体験的な快適性の向上、エネルギーコストの低減にもつながります。
快適性の向上
気密性が高まると、室内温度の変化を軽減させることにつながります。室内温度を均一に保つことは、体感温度が一定に保たれることにつながります。住む方が心地よいと感じる程度、それが、靴下を履いている場合が良いのか、素足の場合なのか。
体感温度や心地よい空間といったパーソナルな部分をプランニングすることは、より繊細な作業を求められます。
結露・カビのリスク低減
気密性が高いと、計画的な換気を行うことができるため、結露が発生しにくくなります。これにより、カビや腐食のリスクが低減し、室内環境が健康的が保たれます。
実施にあたっての考慮点
対象範囲の選定
気密性を高めるリフォームは、ドアや窓のシーリング、壁の隙間の塞ぎなど、比較的小規模から始めることができます。全体的なリフォームが難しい場合でも、特定の部分に焦点を当てることで大きな効果が得られることもあります。柔軟な視点から住む方のニーズに沿うことが最も重要な視点となります。
専門家との相談
気密性向上の効果を最大化するためには、適切な材料の選定や施工方法が重要となる。専門家と相談し、建物の特性に合わせた最適なプランを立てることが必要となります。
気密性を重視した断熱リフォームは、効率的かつコストパフォーマンスに優れた選択肢です。また、居住環境の質を大きく改善できる可能性があります。予算や工事による生活への影響を最小限に抑えつつ、大きなメリットを享受できるため、多くの家庭にとって魅力的なオプションと言えるでしょう。
気密性を向上させながら、特定の断熱を強化する
特定の断熱を強化しながら気密性を向上させるというアプローチは、全体的なリフォームコストを抑えることにつながります。そのことにより、居住空間の快適性を大幅に改善できます。ヒートショックのリスクを低減することは特に重要です。また、特に冬の寒い時期においては健康への影響も考慮する必要がたかくなります。このことから、特定箇所の断熱リフォームを考慮することは、必要な効果を向上させることができます。
窓の断熱
窓からの熱損失は非常に大きなものとなります。また、窓面からの冷気が身体に不快感を与えることにもつながります。窓面の断熱を考慮しましょう。
ヒートショックのリスク低減
廊下やリビング、洗面所といった特に温度差が生じやすい動線上の断熱を強化する意味は大きい。急激な温度変化を抑え、ヒートショックのリスクを軽減することができます。
コストパフォーマンスの向上
全体的な断熱リフォームと比較して、特定のエリアの断熱を強化する方がコストパフォーマンスが高く、限られた予算の中で最大の効果を得ることができます。
居住空間の快適性向上
快適な室温を維持しやすくなるため、家全体の居住性が向上します。特に生活の中心となるリビングや洗面所、トイレなどの快適性が高まると、日常生活の質が向上する部分の断熱効果を上げるだけでもメリットは大きいと言えるでしょう。
施工時の考慮点
評価と計画
施工前には、専門家による詳細な評価を行います。また、最も効果的な断熱材の種類や施工方法を選定することが重要となります。しかし、断熱を強化した部分と、既存の断熱の部分とがある場合、温度差による結露といった原因を誘因する恐れがあります。
適切な知識を持った建築士に依頼することで、施行計画、断熱気密管理といった複利の効果も期待できます。
生活への影響を最小限に
工事期間中の生活への影響を最小限に抑えることは重要です。このため、リフォーム計画を慎重に立て、家財道具などの仮置きスペースなど工程管理などの計画性が求められます。このことから、より知識の高い建築士などの専門家に依頼することが重要です。
将来のニーズの考慮
長期的な視点で、将来の生活スタイルの変化などに対応できるように計画することが重要となります。断熱リフォームは一回で全てが終わることはまずありません。適切な場所、適切な時間、住む方の負担などを考慮して、施行計画を進めることが求められます。
まとめ
断熱リフォームは、快適に日常生活を送るために必要な工事だ。ただ、過剰な断熱工事などは、住まいてにとって、経済的に、身体的に、心的負担が大きなものとなる。
大切なのは、そこに住まれる方が何を快適と感じるのか。「体感」だ。
このことを念頭に置いて、断熱リフォームを検討することで、快適な空間を実現することが可能となる。
KEEL PROJECTでは断熱リフォーム、パッシブエコハウスを手掛けております。
断熱リフォームは特に専門性が求められます。
専門的な知識を保有しているKEEL PROJECTにご相談ください。