グラスウール断熱材について色々と意見が分かれるところがありますが。グラスール断熱材を使って高性能な新築一戸建てをつくってます。
京都のデザイン設計、KEEL PROJECTです。
新築一戸建ての規格住宅、風道の家での断熱材は裸のグラスウールを採用しています。なぜかというと、コストパフォーマンスが極めて良いからです。
また、施工プロセスも、断熱材充鎮、気密といったセクション分けができます。このため、しっかりと施工の管理ができるメリットがあります。
また、技術力でのパフォーマンスの低下。といった事象が起きにくいことも挙げられます。
いわば、誠実に、しっかりと施工する。それさえ守れば、必ず断熱のパフォーマンスは発揮されるということなのです。
今回は、規格住宅「風道の家」でも採用している、グラウスール断熱材のについて考えていきます。
目次
グラスウール断熱材の特徴
繊維の太さと密度
グラスウールの断熱性能を評価する際には、密度と繊維の太さが重要なポイントになります。密度が高いほど空気の流れを抑え、熱損失を減らすことができます。また、繊維が細かいほど多くの空気を含むことができます。その結果として優れた断熱性能を発揮します。
これらの要素は、エネルギー効率を最大化し、住宅の快適性を高めるために非常に重要です。
繊維が細いものが高性能グラウスウールと呼ばれています。風道の家では、高性能グラウスールの密度を適所に使い分けて配置しています。
グラスウール断熱材の暑さも大事
グラスウール断熱材の断熱性能を考える際には、厚さも非常に重要な要素です。断熱材の厚さが増すほど、熱が伝わる量を少なくできます。そのため、より効果的に熱損失を防ぐことができます。適切な厚さの断熱材を選ぶことで、冬は暖かく、夏は涼しい快適な室内環境をつくることができます。
裸品と袋入りとでは何も変わらない
グラスウール断熱材の「裸品」と「袋入り」の間で基本的な断熱性能に差はありません。両者の主な違いは取り扱いと施工の便利さにあります。袋入り製品は、取り扱いが簡単です。施工時の繊維の飛散を抑えることができるため、作業環境を清潔に保つことができます。一方で、裸品は多少の飛散があます。が、施工の自由度が高く、必要に応じてカットして使用することが可能です。どちらを選ぶかは、施工の状況や好みによります。
風道の家では裸品の高性能グラスウールを採用しています。断熱施工と気密施工を明確に分けたいからです。
グラスウール断熱材は高い断熱性能
グラスウール断熱材は非常に優れた断熱性を持ちます。熱伝導率が低いため、建物のエネルギー効率を向上させることができます。
グラスウール断熱材は吸音作用がある
音の吸収にも優れており、室内の騒音レベルを低下させる効果があります。
グラスウール断熱材は耐火性
ガラス繊維は不燃性であるため、火災時の安全性を高めることができます。
環境負荷の低減
一部のグラスウール製品はリサイクルされたガラスを使用しており、環境に対する影響が少ない。
内部結露の影響が懸念されるが・・・
内部結露の影響でグラスウール断熱材に問題が生じるのは確かにあります。
グラスウール自体は吸湿性が低く、湿気を吸収してもその断熱性能が大きく低下することは少ないです。が、結露が生じると以下のような問題が生じることがあります
断熱性能の低下
結露によりグラスウール断熱材が濡れると、繊維間の空気層が水分で満たされ、熱伝導率が上がります。これにより断熱性能が低下します。熱伝導率が高ければ、それだけ熱を通してしまします。
材料の劣化
水分が長期間にわたって断熱材内に留まると、材料自体の劣化や構造的な問題を引き起こします。
隙間の発生
内部結露の影響で、水分により断熱材が重くなり、下垂することがあります。これにより、元々密閉されていた空間に隙間が生じ、断熱性がさらに損なわれることがあります。
カビや健康問題
湿った環境はカビの成長に適しており、これがさらに健康問題を引き起こす可能性があります。
グラスウール断熱材の施工対策
適切な防湿層の設置
断熱材の外側に防湿層を設置し、湿気が断熱材内部に侵入するのを防ぎます。また、室内側にも適切な防湿壁を設置することで、室内の湿気が壁内に侵入するのを防ぎます。
防湿層の施工を明確にするためにも、風道の家では裸品のグラウスウール断熱材を採用しています。
外壁通気性の確保
壁内部に通気層を設けることで、内部に湿気が溜まりにくくなります。これにより、結露を防ぎ、断熱材が常に乾燥した状態を保つのに役立ちます。
大切なのは、施工側がしっかりとしたグラスウールの認識を持って施工しているかどうかです。
袋品でも施工する人間がしっかりとした認識を持って施工すれば、何も問題はありません。
また、グラスウールに対する意識の問題が、ひと昔前まで非常に低かったのが事実です。ただ、今でもやはり低い意識と認識で施工をしている現場を見ることがあります。
一部のつくり手にはまだ、たかが断熱。と、考えている節があるのも事実です。
ですが、グラウスウール断熱材の施工は、しっかりとした管理のもと施行すれば何も問題がありません。
むしろコストパフォーマンスに優れた断熱材と言えます。
新築一戸建ての規格住宅「風道の家」での仕様を見てみよう
風道の家は先にも書きましたが、基本的にはグラスウール断熱材を採用しています。
理由としては、施工技術によるパフォーマンスの差が出ない。断熱充鎮作業と気密施行が明確に別れているため、施工管理の面で徹底できることが言えます。
また、コストバランスは省エネ住宅をつくる上で重要な問題です。
いくら断熱効果が高いといっても、コストが合わなくては採用することはできません。
また、コスト、断熱効果など複合的に考えても、グラスウール断熱材の採用は理にかなっていると考えます。
風道の家では、屋根、壁、床と断熱施行できる範囲は全てグラスウール断熱で行っています。
断熱早見表
| 屋根 | 高性能グラスウール24k 105mm✖️2 210mm |
| 壁 | 外壁側に付加断熱 高性能グラウスウール32K 60mm 室内側に高性能グラスウール16K 105mm |
| 床 | 高性能グラウスウール24K 105mm 寒い場合付加断熱として42mmも追加できます。 |
屋根は日射を直接的に一番に受ける部分です。夏の日射を受けた屋根面は60度以上にもなります。また、高温の熱が屋根をつたって室内に入り込むと、2階部分は暑くていられない状態になります。
僕の家でも、２階は夏場灼熱地獄と化します。
この原因は当たり前ですが、断熱材の厚みが全く足りていないことから起きますよね。
風道の家は、必要最低限の省エネ住宅を目指しています。パッシブデザインも取り入れるため、できれば自立型の省エネ住宅を目指したいと考えています。
ただ、そのために高コストをかけたいとは考えまません。し、断熱の厚みをどんどん増していこうとは考えていません。コストバランスの優れた、住みやすい家がKEEL PROJECTが考える省エネ住宅です。
まとめ
簡単ではありますが、風道の家でのグラスウールの厚みや考え方を説明してきました。
グラスウールは施工と管理をしっかりと行えば、コストパフォーマンスに非常に優れた断熱材です。
また、協力店様の断熱に対する意識も向上してきていますので、他県での依頼時にも安心して任せていただけると考えています。
グラスウール断熱材は、しっかりと施行すれば問題なく断熱パフォーマンスを発揮してくれます。
