デンザイン設計工務店、KEEL PROJECTです。
窓が多いと寒い家になるのでしょうか?省エネエコハウスを検討する場合、窓の設計を慎重に行うことが必要です。窓といっても日射取得するのか、遮蔽するのか。風をどうコントロールするのか。家づくりの要とも言える要素となっています。
今回は、省エネエコハウスの要とも言える、窓について考えていきます。
目次
目次
窓の役割について
窓は建物の設計において多くの機能を持つだけではありません。その家に住む人かたたちの心理的な健康にも影響を与える重要な要素です。
窓が心理的に及ぼす影響について説明しいきます。
心理的な広がりと解放感
窓は部屋に広がりを与えてくれます。庭や、景色が見えるといった、景観を意識した窓の設計を行うことで、ストレスの軽減に役立つことが研究によって示されています。自然光が差し込む明るい空間は、住む人の気分を高めます。また、暮らしに対する満足度を向上させることにもつながります。
季節感の認識
窓からの式の変化を感じることができる場合、時間との流れや、自然との一体感を感じます。これは、精神的なリズムを整える効果、生活の質を向上させることにも寄与します。
日光の恩恵
自然光には、ビタミンDの生成を助ける効果があります。精神健康を保つためにも窓からの光は重要となります。日光が室内に入ることで、身体のリズムが整い、睡眠の質を向上させることも研究によって示されています。
社会的接続
窓は、外の世界とのつながりくれます。行き交う人たちの様子や、自然を観察することなどは、孤立感を減少させます。それにより社会とのつながりを感覚として捉えることができます。
これらの要素により、窓は単に建築的な構造物以上の役割を果たし、住む人々の心理的な健康や幸福に大きく寄与することができます。
KEEL工務店が考えるのは、断熱効果だけを見据えた窓設計ではありません。人や自然とのつながり。住む人たちが得られる恩恵などを考慮し、窓の設計を考えることが必要です。
とはいえ、省エネエコハウスにおいて、窓の設計はその効率性と快適性を大きく左右する重要な要素です。窓の適切な設計は、エネルギー消費を削減し、自然の恵みを最大限に活用することが必要となります。
省エネエコハウスにおける窓の役割と重要性を見ていきましょう。
1. 自然光の最大化
省エネエコハウスでは、窓は自然光を室内に取り込むための主要な手段です。太陽光が多く室内に入ることで、冬場の暖房費の削減、昼間の電気使用量の削減などにつながります。窓の位置やサイズ、ガラスの選定などを慎重に行えば、冬の日射を積極的に取り込み、夏の強い日差しを遮蔽することが可能となります。
2. 換気と空気品質の改善
自然換気によって、室内の換気を促進することは省エネエコハウにおいて重要です。窓の通り道をつくりだし、室内の空気を新鮮に保ちます。これにより、エアコンの使用頻度を減らすなどエネルギー消費を家全体として抑えることにもなります。ですが、自然換気をする場合、チリやアレルゲンなどの物質も一緒に取り入れることになります。しっかりとした機械換気での計画的な換気も合わせて考えることが重要となります。
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3. 熱効率の向上
窓は季節に応じて室内の温度調整を助けてくれます。例えば、太陽光の熱を利用し、冬は室内に熱を取り入れることができます。夏場は強い日射を遮蔽することで太陽熱が室内に入り込むことを防ぎます。冬場の太陽熱を室内に取り入れることは重要です。夜間の初期暖房の軽減、床暖房などの輻射熱はどうしても初期暖房時としての能力は低くなります。
4. 心理的な利益の提供
窓は自然光や風を取り入れるだけではありません。先にも書いたように、外の景色を楽しむといった機能も提供します。これにより、住む人の心理的な幸福感が向上します。自然とのつながりは、ストレスを軽減し、健康的な生活を促進します。庭や緑を楽しめる窓は、住む人に安らぎを与えてくれます。
省エネエコハウスにおいて、窓は単なる家の構造部品以上の役割を果たします。窓が自然と調和し、エネルギー効率の高い快適な空間を得るためのキーポイントとなります。
適切な窓の設計は、エネルギーの削減、居住者の健康と幸福の向上、環境への配慮などが同時に達成されます。窓は考えている以上に、生活に密接に関係しているのです。
京都で省エネエコハウスを検討する場合の窓の設計
1. 窓の位置とサイズ
南向きの窓
京都において、南向きの窓は冬の日射取得を最大限まで高めてくれます。基本的には、南向きの窓の面積は、床面積の20%程度とします。ただ、地理的条件などが理由となり、南面に大きな窓を設置できない場合があります。そのような場合は、東面で朝の日射を積極的に取り入れるか、西面での午後からの日射を取り入れるのかを、慎重に検討します。どちらもそうですが、夏の日差しは非常に強くなります。庇や面での日射遮蔽を考えながら、バランスよく室内に日射を取り込む設計をします。
窓の数
熱損失などを理由に、大きな窓を選択しない場合がありますが、それでは、太陽光を効率よく取り入れることはできません。複数の小さな窓を設置するのではなく、日射を取り入れる面には、大きな高性能な断熱窓を積極的に採用し、太陽光を積極的に取り入れるように考えます。
2.ガラスの種類
高性能トリプルガラスの採用
高断熱性能のガラスを使用し、U値(熱貫流率)は0.6以下を目指す。これにより、冬の暖房負荷を減らし、夏の冷房負荷も低減します。ただし、日射を取得するのか、日射を遮断するのかはガラスによって変わります。南面の大開口に日射遮蔽ガラスを選択することがないようにしなければなりません。
窓の形状
窓の形状は熱損失を下げるためにも重要となります。日射取得が目的ならFIX窓(開かない窓)。風を通すことが目的なら方引き窓。といったように、目的に応じた窓の形状を選択することが必要です。高性能なガラス窓にしても、フレームからの熱損失は発生します。目的に応じ、バランスよく窓の形状と配置をすることが重要です。
アルミフレームの採用
また、アルミサッシの使用は厳禁です。フレーム面からの熱損失は結露や、不快な気流の発生の要因となります。樹脂サッシもしくは木製サッシでの検討が必要となります。
ただ、予算の都合上どうしてもアルミサッシを採用しなければならない場合があります。そのような倍は、フレームの数を減らすことを意識します。引き違いより、方引き窓。方引き窓よりFIX窓といったように、できるだけアルミフレームからの熱損失を軽減させる努力が必要となります。
3. 外部遮蔽装置
庇(ひさし)
庇の設計は、夏季の高い太陽の角度を考慮して、窓の上部に適切な長さと角度で設置します。一般的に、窓の高さの半分から2/3程度の出幅で設計します。
簾(すだれ)やブラインド
夏季に南側や西側の窓に簾やブラインドを設置し、直射日光を遮ることで室内温度の上昇を防ぎます。これらは操作が容易で、冬季には取り外すことが可能です。
4. 換気設計
自然換気と機械換気の併用
風の通り道をつくることで、計画的な自然換気を行うことができます。ただし、先にも書きましたが、チリやアレルゲンなどの物質も室内に流入します。計画的な換気システムの導入など、機械換気の計画も重要となります。
まとめ
窓は家を構成する部品の一部ではありません。窓から受ける身体に及ぼす影響は計り知れません。
闇雲に大きくしたらいいではなく、地理地形を把握し、亀岡市の特性(霧が多い)などの特性も理解した上で、窓の選択をします。
省エネエコハウスを検討する場合、窓の設計を慎重に行うことが必要です。窓といっても日射取得するのか、遮蔽するのか。風をどうコントロールするのか。家づくりの要とも言える要素ではないでしょうか。