気密や換気にこだわってます。京都のデンザイン設計工務店、KEEL PROJECTです。
京都のような盆地で湿気の多い地域では、通風を生かして、換気を行うことのメリットが大きいように感じますね。僕たちが考える省エネエコハウでも当然のように、「風」を取り入れるライフスタイルが素敵で快適だと考えています。
少し湿気について考えてみましょう。
湿気は人体(呼気、汗など)からも、生活環境(お風呂、料理、加湿器など)からも大量に毎日放出しています。大体ですが、30リットル程度。むっちゃ多いです。
さらにです、京都は湿気が特に多い地域です。窓を開けて開放的で気持ちがいい。その反面、湿気も大量に取り込むことになります。そのような状況下では、室内に入った湿気をどのように排出するのかが問題となります。
窓を開ければ、風が入って気持ちいいですよね。その反面、湿気や、アレルゲン、チリといった、招かれざるお客さまも室内に入れてしまうことを理解しすることで、必要な対策を講じることができます。
今回はこの湿気を効率よく排出するために必要なことはなに?といったことに切り込んでいきます。
目次
湿気が住宅に及ぼす影響はヤバい
憧れのマイホームに湿気や人体、生活習慣から放出される水蒸気が滞留してしまうと、どんな影響があるのでしょう?
以下は、湿気や水蒸気が家にあたえる影響をざっとあげてみました。
カビとダニの増加
空気の溜まる環境下では、湿気が逃げる場所がありません。強制てきに排出することができませんよね。壁や天井、床にまでカビが発生しやすくなります。また、カビの胞子はアレルギーや喘息といった健康問題を引き起こす原因にもなります。まだまだ行きます。高湿度はダニの増殖にも適した環境となります。これもアレルギーなどの健康被害を起こす原因の一因となります。
建物構造への影響
湿気はあらゆる隙間に逃げていきます。壁内部や天井裏にもすぐに抜けていきます。そういった場所は決まって閉鎖的で空気が動きません。ということは湿気や水蒸気が停滞することになります。そうなると、木材や建築材の腐食が進み、建物の強度などにも影響をきたします。また、建築家なものなどに錆が発生するなど、構造を強化する部材の耐久性などにも影響を与えてしまいます。
断熱性の低下
断熱材の施工がいい加減な場合、断熱材の内部に湿気や水蒸気は逃げていきます。そうなると、断熱性能は顕著に低下します。また、水分を含んだ断熱材は、自重に耐えきれず壁内で崩れるようになります。もはや断熱のない家となるのです。冬場は寒く、夏は暑く、また湿気が入り続けるといった負のスパイラルに突入します。
窓は開けたいんです
僕もそうですが、窓はどんなに暑い日だろうが、寒い日だろうが一度は開けて外の空気を取り込みたいと考えています。もちろん花粉の時期などは、窓を開けることも控えなければいけませんが、ただ、開けたい。
ただ、風を感じたい。
そんな欲張りな考えを持つことは非常に重要なことです。
ずっと住む家で、なぜ我慢をしなければいけない?皆さんもそう考えますよね。
ただです。何度もいいますが、窓を開けた後、を計画することが大切なのです。
それが換気です
気密は換気と密接な関係にあります。僕たちがつくる「風が住まう家」でも換気は窓の計画と同じくらい重要度がMAXとなっています。なぜ計画的な換気が必要なのでしょうか?
ぼくも初めの頃は、窓さえ開ければ問題ない。といった、自然主義信仰家の権化のようなものでした。ですが、しっかりと海外の住宅事情、断熱、気密、換気の知識を得ていくうちに、相当ヤバいことに気づいたのが、8年前。
気密と換気をしっかりとバランスよく考えないと、室内の空気質は安定しません。以下では計画的な換気が、家にどのような効果を与えてくれるのかを説明していきます。
エネルギー効率の向上
計画的な換気システムを構築することは、室内の温度や湿度を効率的に管理することができます。例えば、熱交換システム(HRV)やエネルギー回収換気システム(ERV)は、排気する室内の暖かい空気から熱を回収し、新たに取り入れた冷えた空気を温めることができます。これにより、暖房や冷房に必要なエネルギー消費を減らすことができます。
室内空気品質の保持
気密性が低いと、隙間や亀裂から常に外気が入り、室内の暖かい空気や冷たい空気が漏れ出ます。このような状態では、換気の流れが不安定になり、外部の気候変動によって室内環境が左右されやすくなります。計画的に換気を行うには、空気の流れを一定に保つ必要がありますが、気密性が低いとこれが不可能に近くなります。
しかしです、省エネエコハウスのような気密性の高い住宅は、計画的な換気により、室内の余分な湿気や、CO2、アレルゲンなど汚染物質を効果的に強制的に排出することができます。なので、室内の空気室はいつも清潔で、新鮮な空気を供給し、循環することにつながります。
快適な室内環境を実現できたら快適な寝室も計画しましょう。
健康への利益
換気を通じて室内の空気を定期的に更新することは重要です。あのにっくきカビの発生やダニの増殖発生を抑制し、アレルギーなどの発生リスクを軽減する効果があります。計画的な換気は、これらの健康リスクを低減しながら、エネルギーを無駄に消費しないなど、住宅の快適性を保つことができます。
総合的な住宅の耐久性
湿気や水蒸気などの管理は、住宅の構造にとって非常に重要です。気密がされ計画的な換気を行える環境下では、構造内部の湿気の蓄積や流入自体を防ぎます。断熱材の劣化や、構造体の腐食、構造部品の耐久性の低下などといったものを防ぐことができます。
窓から入る湿気や人体から放出される水蒸気を計画的に排出するメリットは大きでよね。ただしです、計画的な換気を可能にするためには住宅自体の気密性を向上させる必要があります。
気密性がほぼ無いに等しい昔の住宅では、無作為に入ってくる外からの漏気によって、換気ではなく、空気の入れ替えが絶え間なく行われていました。そのおかげで家は寒いが持ちが良い。といったミラクルな状態を構築することができました。
ですが、今の住宅は中途半端なのです。
気密、断熱やるの?やらないの?中途半端が一番悪い。
気密と換気の関係
先にも書きましたが、気密性が低いと、隙間や亀裂から常に外気が入り、室内の暖かい空気や冷たい空気が漏れ出ます。このような状態では、換気の流れが不安定になり、外部の気候変動によって室内環境が左右されやすくなります。計画的に換気を行うには、空気の流れを一定に保つ必要がありますが、気密性が低いとこれが不可能に近くなります。
たったこれだけのことで、家にカビが生えたり、ダニが増殖したりといったデメリットな事象が多発してしまいます。湿気が多い京都だから気密をしっかり考えることが重要なのです。
ただ、僕もそうでしたが多くの方は、気密と聞くと何かネガティブな要素を含んでいるように聞こえます。ですが、住宅に関してはポジティブでしかありません。
断熱効果も計画的な換気も気密があって初めて成立することなのです。
まとめ
京都は夏に高温多湿となります。また、冬は底冷えが厳しいですよね。このような地域では、室内の温度湿度管理が非常に重要となります。高い湿度はカビやダニの増加を促します。また、湿気による住宅へのダメージも計り知れません。
住宅の気密性を向上させることで、得られるメリットは大きいです。
外部からの想定外の湿気の流入を防ぎ、かつ適切な換気計画を行うことができるので、室内の空気質を高めることにも繋がります。また、漏気がないため、室内の温度レベルを適切に保つこともできます。
ただし、機密だけを考えればいいのではなく、換気計画、断熱計画と合わせて効率とバランスとを綿密に計画する必要があります。
窓は開けて風を感じたいけど、室内の空気質はクリーンに保ちたい。そんなわがままな考えをお持ちの方は、ぜひKEEL PROJECTにご相談ください。