パッシブデザインやパッシブ建築って言葉をよく耳にしますが、わかっているようでわかっていない。
そう感じる方も少なくないとおもいます。京都のデザイン設計、KEEL PROJECTです。
今回は、パッシブデザインって結局のところどういうこと?について一緒に考えていきます。
目次
パッシブデザイン
パッシブデザインとは、建築物が環境と調和し、自然の力(風や太陽の光など)を最大限に活用して快適な居住環境をつくりだすための設計手法です。
具体的に言うと、太陽の光や熱を利用した暖房。自然の風による冷却効果。また、建物の位置や窓の配置による光の最適化などが含まれます。また、エネルギー消費を抑えつつ、自然環境を生かした設計方法がパッシブデザインの核となります。
パッシブデザインをもっと具体的に
想像してみてください。カラッとした夏の暑い日です。窓を開けると、心地よい風が入ってきて涼しく感じますよね?
自然の力を上手く利用するって、簡単なようで結構難しい。
地形、立地、周辺環境をしっかりと調査しないとコントロールすることはなかなかできません。
太陽を利用する
冬は室内に太陽の暖かさをふんだんに取り入れたいですよね。パッシブデザインを意識した風道の家では、立地にもよりますが、南向きやあえて西面に大きな窓を配置するようにします。疑問ですよね、西面は西陽の印象が強いため、敬遠されがちです。しかし、しっかりと夏の対策さえ行えば、冬は暖かな室内環境をつくりだすことができます。書いてる僕の家が西面に大きな開口部をつくっていますが、真冬でも昼間は暖房は入りません。
冬の低い太陽の光が沢山室内に入るように計画します。
夏は太陽が高くて、直接光が入りすぎると暑くなりますね。そのため、屋根のひさしを長くして太陽の光が直接入らないようにしたり、カーテンを使って日差しを調整します。
外観のイメージを損なわないように配慮した、ネットなどを窓の外につけるだけで室内に熱が入り込みません。
風を利用する
風道の家は、どこから風がよく吹くかを調べ、窓を計画します。そうすることで、風が家の中を通り抜けて、自然に涼しくできます。また、規格住宅ですが、ある程度の窓の配置、形状は変更していきます。立地により風の入り込みが違ったりなどあります。なので、柔軟な窓の計画を進めていくようにしています。
家の形
家の形も大切です。たとえば、風がよく通るような形にする。それは、太陽の光をうまく取り入れやすい形にすることで、エアコンやヒーターをあまり使わずに済むようにします。
風道の家はできる限り、エネルギー効率を高めていきたいと考えています。そのため、コンパクトなシンプルな長方形の家です。
このように、パッシブデザインは自然の力を上手に使って、エアコンやヒーターに頼らずに家を快適にする方法です。エネルギーをあまり使わないので、地球にも優しいんですよ。
パッシブデザインを家づくりに取り入れ場合の複利的なメリット
快適な居住環境
パッシブデザインの家は、夏は涼しく冬は暖かいを太陽光や風を利用して実現していく家です。また、自然の風や太陽の熱をうまく使うので、室内の温度が快適に保たれます。その結果、家族みんなが一年中心地よく過ごすことができます。
エネルギーコストの削減
エアコンやヒーターの使用を減らすことができるため、電気代が大幅に節約できます。自然の力を活用することで、必要なエネルギーが減るため、家計にやさしいです。
環境への優しさ
エネルギー消費を減らすことは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らすことにもつながります。つまり、パッシブデザインの家は環境に優しい家と言えます。
長期的な価値
パッシブデザインの家は、耐久性があり、長く使えるように設計されています。また、将来的にはエネルギー効率の高い家が求められるようになるため、再販時の価値も高く保たれる可能性があります。
パッシブデザインで健康的な生活
自然の光や風をたくさん取り入れることで、室内環境が改善され、住む人の健康にも良い影響を与えます。また、新鮮な空気と自然光は、心身の健康をサポートします。
パッシブデザインを家づくりに取り入れることで、これらの利点を享受しながら、長期的に持続可能な生活が可能になります。また、自然と調和した生活は日々の暮らしにも豊かさをもたらします。
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まとめ
パッシブデザインを取り入れた家は、風や太陽の光、熱を利用した過ごしやすい家をつくることができます。しかし、地形や立地、周辺の環境にも影響されるので、しっかりと調査をすることが必要となります。
また、風道の家は高性能な省エネ住宅です。パッシブデザインを利用しながらも、計画的な機械換気なども積極的に取り入れています。
住宅の気密化が進む中、やはりパッシブデザインの手法だけでは住みやすい環境をつくりだすことは難しくなっています。こういった意識を持つことで、より住みやすい家をつくれると考えています。