デザイン設計工務店、KEEL PROJECTです。
補助金を利用した耐震リフォーム、耐震補強などが、リフォーム業界で謳われています。ですが、耐震補強やリフォームをする意味が、その家に住む人の価値に沿っているのかわ疑問です。
大切なのは地震や災害が起きた時に、人命を守ることです。
耐震リフォームで得られるメリットデメリットをしっかりと把握することは非常に重要です。耐震リフォームや補強といった投資が、何をもたらしてくれるのか、どんなところに意識を向けるべきか。
耐震リフォームに必要になる重要なポイントを紹介します。
目次
まずは耐震基準の成り立ちについてみていきます。
耐震基準
耐震基準
日本の建築物の耐震基準は、大きな地震が発生するたびに見直され、強化されてきた。特に1923年の関東大震災、1995年の阪神、淡路対震災、2011年の東日本大震災など、大規模な地震後にはその教訓をもとに耐震基準が更新されてきました。
耐震基準
1950年に導入された耐震基準。この基準に基づいて建築された建物は、1981年の建築基準法の改正以前のものとされている。
新耐震基準
1981年の建築基準法改正で導入さえた。この改正では、建物が大地震によって完全い東海することがなく、かつ、人命を守る程度に耐えうる強度を、住宅に持たせることが求められた。
耐震診断と補強
1981年以前位建築された建物について、その耐震性は新耐震基準に比べて低い可能性がある。そのため、これらの建物に対しては、耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を行うことが推奨されている。
耐震補強工事は、建物の構造体を補強することで、地震に対する抵抗力を高める工事です。補強方法には、柱や梁の補強、壁の追加、基礎の強化など、様々な技術があります。
ただ闇雲に補強をするのではなく、バランスや求める価値を含めて考えていくことが重要となります。
補助金制度
日本では、耐震診断や耐震補強工事を促進するために、国や地方自治体による補助金制度が設けられている。これにより、建物の所有者が耐震補強工事の費用の一部を補助してもらえる場合があります。
京都市では、地震による住宅の倒壊や大きな被害を防ぐために、耐震リフォームに関する補助金制度を設けています。以下に、京都市の耐震リフォーム補助金の主な内容を説明します。
京都市耐震改修促進事業補助金
対象
- 京都市内にある木造住宅で、建築基準法に基づく確認済証の交付を受けていない、または昭和56年5月31日以前に建築されたもの。
- 事業に着手する前に、指定された耐震診断を受けて、耐震改修が必要であると判断された住宅。
補助金額
- 耐震診断費用: 補助率は2/3、上限は6万円。
- 基本設計費用: 補助率は2/3、上限は15万円（耐震診断を行った場合のみ適用）。
- 耐震改修工事費: 補助率は1/2、上限は50万円。
申請方法
- 事前に耐震診断を行い、その結果をもとに基本設計を作成。
- 耐震診断と基本設計が承認された後、耐震改修工事を行う。
- 工事完了後、必要な書類を添えて補助金の申請を行う。
その他
- 京都市では他にも防災に関連する様々な補助金が用意されています。たとえば、防災用品の購入補助や、耐震シェルターの設置補助などです。
- これらの補助金は予算の範囲内での提供となるため、年度によっては申請を早めに行う必要があることがあります。
これらの補助金制度を利用することで、耐震リフォームの経済的な負担を軽減し、より安全な住環境を整えることができます。補助金の詳細や申請手続きについては、京都市の公式ウェブサイトや、市役所の住宅部門に直接お問い合わせするか、専門家に相談するようにしましょう。
耐震診断の重要性
耐震診断を受けることの重要性
1. 建物の安全性評価
耐震診断によって、建物の現在の耐震性が明らかになります。これにより、どの程度の地震に耐えられるのか、また、どのような強化が必要なのかも判明します。
2. 人命の保護
耐震補強の主な目的は、建物の倒壊を完全に防ぐことではありません。地震時発生時の人命を守ることにあります。建物が一定の損傷を受けても、東海することなく人が安全に避難できる。こういった状態を確保することが重要です。
3. 経済的損失の軽減
建物の耐震補強は、地震発生時の損害を減少させることにもつながります。倒壊や大規模な損傷を避けることで、復旧、復興のコストが大幅に削減させれます。
4. 地域社会の安定
個々の建物の耐震化は、地域全体の災害復旧を高めてくれます。倒壊した建物が少なければ救済活動、復旧作業がスムーズに行われ、地域全体の早期復旧につながります。
耐震診断や耐震補強は、単に建物を守るためだけではなく、最終的には人命を守り、社会の安定に貢献するための重要なステップとなります。築年数が古い住宅にお住まいの方は、一度、専門家による耐震診断を受けることを強くお勧めします。
メリットデメリット
耐震リフォームのメリットデメリット
耐震リフォームは、建物の耐震性を高めることを目的とした改修工事です。地震による被害を最小限に抑えるため、構造体を補強したり、耐震性の高い材料に置き換えたりします。このようなリフォームは、多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットも存在します。デメリットの部分を理解し、あなたの価値に沿った選択をすることが重要となります。
メリット
1. 人命の保護
最大のメリットは、地震発生時の安全性が向上し、住宅の倒壊や大きな損傷を防ぎます。結果として住人の安全を守ることにつながります。
2. 経済的損失の軽減
建物が東海するリスクが減ることで、地震発生後の復旧費用の削減につながります。
4. エネルギー効率の向上
耐震リフォームの過程で断熱リフォームも並行して行うことで、エネルギー効率が向上します。暖房費や冷房費といったランニングコストの節約にもつながります。
デメリット
1. 高額な費用
耐震リフォームの最大の障壁は、費用です。構造体の補強や、耐震性の高い材料への交換など、かなりの費用負担がかかってきます。補助金が適用できたとしても、負担は大きなものとなります。
2. リフォーム中の生活への影響
工事期間中、意を一部または全部使用できなくなることがあります。そのための仮住まいが必要になるなど、生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
3. 工事の複雑さ
耐震リフォームは専門的な知識を要するため、経験豊富な業者を選ぶことが重要となります。また、建物によっては構造上の制約などもあります。そのため、思った以上の効果（補強）が得られないことがあります。
4. 期待した効果が得られないリスク
耐震リフォームを実施しても、地震からの被害を完全に防ぐことはできません。また、耐震診断や耐震リフォームの計画が不十分な場合、期待しているような耐震性が得られないことがあります。
耐震リフォームを検討する際には、これらのメリットとデメリットを十分に考慮し、専門家の意見を聞きながら、自身の住宅に最適な対策を検討することが重要です。
たった一つの重要なこと
３つの重要なこと
耐震リフォームに関しての考え方は、単に建物の構造を強化することだけに注目するのではなく、最終的には人命を守ることに最大の価値を見出すべきです。
KEEL PROJECTが考える耐震リフォームのあり方をご紹介します。
逃げる時間の確保と人命の保護
耐震リフォームの目的を「逃げる時間の確保」に置くことは重要な要素だと考えます。住む人の命を守ることが何よりも大切なことです。耐震補強が完璧な形で行われるとは限らず、また、どんなに強化をしてもよそく不可能な自然の力に完全に耐えられる保証はありません。ですが、建物の最初の強い揺れに耐え、住人に避難するための「時間」が生まれることは非常に重要です。
建物の価値とのバランス
建物には価値以上のものがあります。建築物が持つ歴史、文化的価値、そこに住む人の「思い出」の価値は単純な耐震数値では測れません。耐震補強を実施する場合、これらの付随する価値も考慮しながら、住居人や建物の安全性を確保することが重要となります。
総合的なプランニング
耐震リフォームをトータルで考えたプランニングという点では、費用対効果、建物の使用目的、住人の安全性、建物の文化的・歴史的価値など、多角的な視点からのアプローチが求められます。地震発生時に人命を守るためのリフォーム計画は、単に技術的な側面だけでなく、社会的、心理的な側面も考慮しなければなりません。
耐震リフォームを考える上で大切になるのは、安全な住環境の確保は、技術的な挑戦だけでなく、人間の生活と密接に関わるということです。そのため、耐震リフォームの計画にあたっては、技術的な側面と人間的な側面の両方をバランス良く統合することが、非常に重要です。
まとめ
耐震リフォームをするにあたって、得られる効果は、そこに住む人によって変わります。なぜかというと、築年数が４０年以上経過している住宅を、耐震補強で倒壊する恐れがないくらいにまで、補強した場合、その家は原型をなくします。サイボーグのような機械的な要素が剥き出しの無機質な建物になります。
それを望む方もおられれば、否定的な意見を持つ方も当然おられるでしょう。
それなら建て替えた方がメリットが大きいと考える方もおられます。
家にはずっとこの場所に住んできたという感情も込められます。その感情は、その家に住む方にしか表すことのできない大切なものです。ただ、大切なのは人命をどう守るのか。
重要なことはな、地震が起きた時に「逃げれる」このことが重要だと考えます。ある一定の耐震補強をし、逃げる時間の確保につながるのであれば、耐震リフォームをする価値はあります。
倒壊するならリフォームはしない。ではなく、あくまでも人命を守るためにする。リスク、資産などトータルで考えたプランニングを、耐震リフォームでアプローチすることが重要だなのだと考えます。
KEEL PROJECTでは耐震診断からリフォーム計画までトータルでサポートしております。