ハウスダスト問題にも取り組んでいます。京都のデンザイン設計KEEL PROJECTです。
ハウスダストが巻き起こすアレルギー問題は深刻ですが、多くは高性能な注文住宅で対応できます。
また、アトピーや喘息といったアレルギー性の疾患がある方に対して、自然素材の家は効果的です。が、自然素材にもアレルゲンは含まれます。また、ホルムアルデヒドに対して敏感に反応する方もおられます。
僕たちは目的や症状に合わせて細かくアプローチをすることを考えています。
ただ、あまりにも症状が深刻な場合、僕たちの技術では行えない場合があります。ただしです、そういった生活に支障をきたす方のために「風道の家」があるんだと考えます。また、あらゆる方向性を探り、克服することが重要だと考えています。
風道の家は規格住宅ですが、自由度は高いのです。の記事もこちらからどうぞ
今回は、アレルギー性の疾患をお持ちの方にも安心して、注文住宅を依頼できることを知ってもらうために、省エネ➕対アレルギー対策住宅のアプローチを紹介します。
目次
- ハウスダスト対策住宅の環境制御と換気計画
- ハウスダストやアレルギー対策には24時間全熱交換型換気システム
- ハウスダスト対策の住宅の間取りについて
- 自然素材に含まれるアレルゲン
- パッチテストの有用性
- まとめ
ハウスダスト対策住宅の環境制御と換気計画
ハウスダストの影響などで、アレルギー性疾患を持つ方にとって重要なことは、環境制御と換気計画です。
プランニングは個々の症状によって変わります。が、室内の温熱環境を一定に保つといったことや、室内の空気質を常に新鮮に保つといったことは基本的な問題なのです。
しかし、こういった基本的なことをしっかりとして進めない限り、計画換気に必要な気密性の数値を出すことはできません。
環境制御
温湿度管理
室内の温度と湿度を一定に保つことで、ダニやカビの発生や、成長を抑制し、アレルギー反応の発生を減らすことを考えます。
理想的な室内湿度は、40ー60%の間とされています。が、これも個々の症状などによって変動します。慎重にヒヤリングを重ね、理想の室内空間を目指すことが重要です。四季を通してできるだけ安定させることを重視します。
断熱性能気密性能
家の断熱性能を高めることは重要です。それは、外気温に左右されないことで、室内温度一定に保つことができるからです。また、気密は漏気(すきま風)を防ぎ、アレルゲンの侵入を防ぎます。
気密性は、計画的な換気計画を実現するために重要です。
室内環境を一定の水準に保つためには、断熱や気密の施工制度を高めることが重要です。僕たちは、自分たちの目でしっかりと各現場を管理することに軸を置いています。
換気計画
連続換気
室内の空気質を維持するためには、常に新鮮な空気を供給し、汚染された空気を排出することが重要です。これにより、CO2の蓄積、室内汚染物質の濃度を下げることができるからです。
効率的な換気システム
熱交換換気システム(HRVまたはERV)は、外気と室内空気の熱エネルギーを交換することで、換気時のエネルギーロスを最小限に抑えます。これにより、常に新鮮な空気を取り込むことになります。
しかし、その場合、一般の機械換気では熱ロスが発生してしまいます。暖房空間で、冬場に換気扇を回すと寒いですよね。これは、暖気が引っ張られ室外へと放出され冷気が代わりに室内に入り込むからです。これでは、暖房効率は悪く、室内温度もいつまで経っても安定しません。
余剰な暖房が続くため、足元は寒く顔の部分だけが火照る。あの不快な体感が続くのはこういった理由からです。
ハウスダストやアレルギー対策には24時間全熱交換型換気システム
24時間全熱交換換気システムは、建物内の空気室を向上させるために設計された効率的な換気システムです。このシステムは、外気と室内の古い空気とを交換する際に温度と湿度のエネルギーを保持します。また、移動させることができるため、エネルギニーの消費を抑え、一年中快適な室内環境を維持することができます。
主な特徴と利点
エネルギー効率の良さ
全熱交換型システムは、排出される室内の空気から熱を回収し、新たに取り入れる外気を暖めることができるます。そのため、冷暖房のエネルギーコストを大幅に削減します。
快適な室内環境の維持
温度だけでなく、湿度も調整されるため、室内は一年中快適に保たれます。これにより、冬は暖かく、夏は涼しく保つことができます。
空気品質の向上
フィルターを通じて外気中の粉塵や花粉などの不純物を取り除くため、アレルギー物質や汚染物質を低減できます。
結露の防止
断熱気密などの条件がそろえば、室内の湿度が適切に管理されることで、窓ガラスや壁面の結露を防ぐことができます。
採用を考慮する際のポイント
初期投資と運用コスト
初期投資は高めですが、長期的にはエネルギーコストの削減にになります。それにより、投資費用を回収することが可能です。
設置スペース
システムにはある程度のスペースが必要となるため、既存の建物に後付けする場合は、設置場所の確保が必要です。
メンテナンス
定期的なフィルターの交換やシステムの点検が必要となります。ランニングコストもしっかりと計算して、導入を検討するようにします。
ハウスダスト対策の住宅の間取りについて
ハウスダストやアレルギー性疾患を持つ方の住宅設計において、間取りのプランニングは重要です。できるだけ開放的で、シンプルに生活動線をまとめることが重要となります。
開放性と換気の最適化
自然の風
自然の風を室内に取り入れることが可能であれば、積極的に室内に風を取り込むことを考慮します。ただしです、症状がきつい場合は、外部からのアレルゲンなどの不純物質が室内に入らないように配慮することが重要です。
空気の流れ
室内の空気が滞ることなく流れるように計画します。家財道具などが大量にある場合など、その一部で空気のよどみが発生する可能性が高くなります。できる限り、障害物が少なくなるような間取りを計画することが重要です。
清潔を保ちやすい間取り
清掃のしやすさ
掃除がしやすいよう、家具の配置や床材の選定を計画的に行う必要があります。隅や狭いスペースが少ない設計が理想的です。
生活動線の考慮
効率的な動線
生活動線をできる限り単純化します。シンプルな動線は、家の中のハウスダストやアレルゲンの移動を減らすことにつながります。
室内には取りきれないハウスダストや、アレルゲンなどがあります。生活動線をシンプルにすることで、巻き上げの軽減につなげます。
湿気とカビの管理
湿気対策
特にキッチンやバスルームは湿気が多く発生する場所です。これらのエリアが、他の部屋に影響を与えないように配置することも重要です。また、家や窓の断熱性能、気密性能を高めることは、湿気やカビ対策のためにも必要となります。
キッチンからは料理の水蒸気が大量に室内に流れ込む恐れが多くなります。また、浴室もそうですが、続き部屋の洗面室の計画も重要度を増してきます。
自然光の利用
各部屋が適切な量の自然光を受けられるように配置し、光の利点を最大限に活かします。しかし、これも極端な採光は避けるべきです。日射は時に人体に悪い影響を及ぼす場合があります。
症状にもよりますが、しっかりとヒヤリングを行い、適切な採光計画を実行することが重要です。
材料選定
ハウスダストやアレルギー性疾患を持つ方の住環境において、建材や内装材の選定は重要です。
低VOC(揮発性有機化合物)材料の選択
VOCは塗料、接着剤、建材などから発散される化学物質です。頭痛やアレルギ0ー反応など健康問題を引き起こすことがあります。また、接着剤はできれば自然素材のニカワを使った接着剤を選定します。
フォルムアルデヒド放散量が低い材料
ホルムアルデヒドは家具や顕在から放散され、刺激性があり、健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。アルミ材などのバリア材を使って放出を抑えるなどの施工努力が必要になります。
天然素材の利用
自然素材は、化学物質の使用が少ないため、アレルギーのリスクを低減できる可能性があります。しかし、自然素材にもアレルギー反応を示す場合があります。
また、自然素材と言われても、製造工程で消毒などの行為が行われている場合があります。製造工程から追っていき、問題がないことを確認することも重要です。
アレルゲンを引き寄せにくい材料
ダニやカビが発生しにくい材質を選ぶことが重要です。カーペットや絨毯といったものを選択するよりも、無垢のフローリングやコルク床などを選択することが重要です。
維持・清掃のしやすさ
材料は清掃が容易で、汚れやハウスダストが溜まりにくいものを選ぶことが望ましいです。滑らかで密閉性の高い表面材料は、ハウスダストが蓄積するのを防ぎ、清掃も簡単です。
自然素材に含まれるアレルゲン
自然素材を住宅に使用する場合、多くのメリットを成就することができます。ですが、それらがもつアレルゲンによってアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
檜(ヒノキ)
ひのきにはリラックス効果がありとされています。ですが、一部の人に皮膚反応を引き起こすことがあります。
杉
杉花粉は、春先にアレルギー反応を引き起こすことでよく知られていますが、杉の木材自体も、敏感な人には反応を引き起こす可能性があります。
天然石
一部の天然石に含まれる微量の金属成分や鉱物成分が、敏感な人に皮膚反応を引き起こすことがあります。
土壁
土壁は調湿効果があるとされていますが、施工環境(湿気が多い時期)などに施工した場合、カビが土内部や表面に発生していることがあります。カビに対してアレルギー反応などのある方には適さない場合があります。
ウール
ウール製品は暖かく、湿度を調整する性質がありますが、一部の人には皮膚のかゆみや赤みを引き起こすことがあります。
綿
一般的には低アレルゲン性とされていますが、綿花の栽培過程で使用される化学物質が残留している場合、敏感な人に反応を引き起こす可能性があります。
パッチテストの有用性
パッチテストは、皮膚に対するアレルギー反応を確認するためのテストです。このテストでは、疑わしいアレルゲンを小さなパッチに塗布し、そのパッチを皮膚に貼り付けて一定期間放置します。その後、皮膚に反応が出るかどうかを観察することで、特定の物質に対するアレルギーの有無を判断します。
まとめ
KEEL PROJECTはハウスダストに悩む方や、アレルギー性の疾患をお持ちの方の家づくりを真剣に考えています。計画じは、ヒヤリングを通じて、複合的なアプローチを模索し、計画へと落とし込んでいきます。
また、作って終わるのではなく、継続的な観察や、変更などを繰り返し行うことが重要だと考えています。
大切なことは、室内環境を適切にコントロールすることです。それにより、適切な換気を通じて常に新鮮な空気が家中を循環するように考えます。また、間取りをシンプルにし、生活動線を絞り込むことで、アレルゲンやハウスダストなどの巻き上げを抑えるように計画することも重要ですね。
素材の選定では、製造工程か追いかけることで、安心な建材を選定し、バリア材などの適用も考えます。こういった複合的なアプローチがあるから大丈夫だとはおもいません。
常に、僕たち設計に携わる人間が、探究し、模索することが重要なのだと考えています。
規格住宅、風道の家は省エネ住宅です。ハウスダストに悩む方や、アレルギー疾患に困っている方にも寄り添うことができる家です。
アレルギー反応や、ハウスダストなどでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。