2階リビングは結構使い勝手がいいです。主観的な意見が入りました。すみません。京都のデンザイン設計、KEEL PROJECTです。
2階リビングと聞くと、何か面倒なイメージが先行してしまいますよね。
いちいち、階段を上がらないとリビングにアクセスできない。なんてことが頭をよぎります。
規格化住宅「風道の家」は2階にリビングがあります。これは一応基本的な設定となっています。
今日は、風道の家の基本設計、2階リビングのメリットやデメリットを考えていきましょう。
目次
メリット
2階リビングはプライバシーが確保できる
2階にリビングがあると、通りからの視線を避けることができ、プライバシーが保たれます。これってすごく重要な要素です。また、僕たちがつくるカゼミチのイエは風を感じられる家です。
しかしです、通りに面しているなどの理由から、窓を開けられない。なんてほんとによくあるのです。
なぜなら、僕の自宅がそうなのですね。通りに面しているために窓を開けると通行人の方と目が合うんです。こっちもびっくりですが、向こうもびっくりでしょうね。
また、会話が筒抜けになるために、本当に窓を開けることができません。
一番の問題が・・・風が通りません。
よって、2階リビングになると、その辺りの懸念点は考えなくても大丈夫ですよね。
2階リビングは眺望が良い
高い位置にあるため、より良い景色を楽しむことができます。自然光の利用も最大化されます。
木の省エネエコハウス「カゼミチのイエ」は高性能な木の家です。開放的な空間を作ることで、高性能の恩恵を受けることができます。空に近づくことによって、光を遮るものはありません。また、風を取り込む際に気になる、周りの目。なんかも気にしなくて済みます。
2階リビングは静かな環境
地上の騒音から離れているため、より静かな生活を送ることができます
先にも書きましたが、やはり窓を開けた時の会話に対する緊張感というのか、なんとも言えないものがありますよね。2Fリビングではこういったことを気にすることもありません。外に広がるのは空ですからね。
区分けされた生活空間
寝室を1階に配置することで、プライベート空間と公共空間が物理的に分かれ、生活がしやすくなります。
2階リビングにすることで耐震性が向上
1階に居室などを設けるために必然的に壁の数が増える傾向にあります。
また、将来的に間取りの変更がなどがない場合は、耐力壁を増やしておくことで、耐震性能の向上につながります。
耐震性能は家づくりにおいて最も重要な要素です。
1階の耐震性を向上させることは、家全体の耐震性能の向上を意味します。それだけ、1階の耐震性は重要なのです。
2階リビングの採光と風
2階リビングの場合、より採光を確保しやすい環境になります。採光と風を取り込むことを意識した窓を設計することで、開放的でより明るいリビングルームを作ることができます。
プライバシーのために窓を閉め切ることは、家に大切な風を機能的に取り込むことが難しくなります。
本来は、機械的な換気だけでも十分に住宅の換気は可能です。むしろ、自然換気はいらないくらいです。ですが、季節のいい時の朝一番の風や、夕方の少し冷えた風を家に取り込むことは重要です。
季節を感じるだけでなく、住宅にとっても風や採光を取り込む意味は重要です。
また、パッシブデザインでの冬の暖房効果(夏は逆に太陽光が直接入らないように計画する必要があります)や、夕暮れの風による即効性のある冷却効果など、窓から入る採光や風の恩恵は大きなもとなります。
デメリット
アクセスの問題
日常的に階段を使う必要があり、高齢者や足の不自由な人にとっては不便です。
生活の基盤が2Fになるだけで一手間増えてしまいます。
このようなデメリットな部分を解消する方法として、階高を下げるなどの対策を講じます。
1Fの天井高低くなります。が、逆にです、ある程度区切られた空間は天井高を下げることで空間を広く感じさせます。階高を下げると階段の昇降が楽になりますよね。また、できる限り階段の踏み板を広く取るなども有効となります。
ですが、敷地が広い場合など、ゆとりがあるのなら一階にリビングがある場合のほうが、暮らしには便利なのかもしれませんね。
家事動線や運搬の手間
食料品や大きな荷物を2階まで運ぶのが大変です。毎日の食材や、洗濯などの家事の動線を考えた場合、2Fリビングはデメリットの部分が大きく感じてしまいますね。
解消方法はやはり階高の調整、階段の調整でしょうね。
また、マルチタスクエリアの設計などで家事の効率化をはかります。
例えば、キッチンの近くに洗濯機を設置して、料理と洗濯を同時にこなせるようにすることも可能です。これにより動線を短縮し、効率を上げることができます。
冷暖房の効率
熱が上に上がるため、夏は暑くなりやすく、冬は暖房が1階に行き渡らないことがあります。
この点については、高性能な省エネエコハウスでクリアできます。
基本的な考え方として、家全体の温度が極端に変化しない。ことが重要だとかんがえています。
2Fリビングが暖かくて、1Fの居室が極端に寒いとなると、結果それは住む心地が悪いことになります。
断熱の効果などをしっかりと計画し、どの部屋にいても温度変化の少ない家づくりが必要です。
防犯対策
階段部分を吹き抜けにするなどで、ある程度の1Fの雰囲気などはつかめますが、かんぺきではありません。
1階にいる時以上に防犯の意識を高めることは重要となります。
再販性の低さ
2Fリビングの家は再販性が高くありません。ただ、再販を意識することが家づくりに必要か。と言われると、僕はそうは考えません。むしろ、再販性を考えるということは、自分たちの理想とする暮らしを意識していないのではないでしょうか?
不動産投資などを意識するのであれば、1Fリビングが適しているでしょう。ですが、自分たちの理想の暮らしを実現したいと考えているのであれば、必要ないのかもしれませんね。
ただ、海外では年齢を重ねるにつれて、ライフスタイルを変えていくのが当たり前となっています。日本でも、永住という考えでなくフレシキブルな考えをもとに、家をつくっていく必要もあるのも事実ですね。
まとめ
2Fリビングについて色々と書いてきました。途中、僕の主観がすごく入り込んでしまいましたが・・・。
メリットだけでなくデメリットな部分も数多く存在します。
僕たちがつくるカゼミチのイエは2Fにリビングを基本として考えています。
空に近く、より開放的な空間をつくりたいと考えているからです。
風を感じられ、光が降り注ぐ空間で、毎日を過ごしてほしい。そこでいろんな会話を楽しんでほしい。
2Fリビングはある程度のデメリットを克服する必要がありますが、得られる恩恵も大きくあります。
メリットデメリットをしっかりと理解することで、素敵な空間をつくることができるでしょう。