寝室デザインにも力を入れています。京都のデンザイン設計工務店KEEL PROJECTです。
睡眠を考えることって、家づくりでは重要課題に僕たちは位置付けています。家づくりを通じて、しっかりと安眠できる寝室を設計することで、その家に住む家族の睡眠と健康のお役に立ちたいからです。
今回は、睡眠のための寝室について考えていこうとおもいます。
風が住まう家では住まい手が快適な睡眠環境を提案しています。照明や、温度、太陽の光、木材・・・。色々な要素が併わさり快適な寝室はつくりあげられます。
これから説明するのは、快適な睡眠空間である寝室を構成するための大切な要素となります。
目次
照明設計
寝室の照明設計は、睡眠の質に直接的に影響を及ぼします。プランニングされた照明は、睡眠のサイクルをサポートするだけではありません。リラクゼーションやウェルビーイング(身ともに満たされた状態を表す概念)促進します。
睡眠と体内時計への影響
メラトニン分泌の調整
メラトニンは「暗闇ホルモン」と言われています。体内の光と暗闇のサイクルに反応して分泌されます。就寝前に暖色系の低光量照明を使用すると、メラトニンの自然な生産を妨げず、睡眠導入の手助けとなります。
概日リズムのサポート
自然光に近い照明を朝に使用することで、体内時計をリセットします。このおかげで、1日を通じての活動を整えることができます。特に冬の期間や日光の少ない環境下では、この効果が重要となります。
快適性とリラクゼーション
リラックス効果の促進
暖色系の照明はリッアクス効果を向上させてくれます。就寝前にこの種の照明を用いることで、心地よくリラックスした状態へと導き、睡眠の質を向上させてくれます。
読書やリラクゼーション活動のための適切な光
寝室は読者リラクゼーションといった、1日の疲れを癒す場所でもあります。適切なタスク照明を設けることで、目の疲れを軽減したり、リラクゼーション活動を楽しむことを助けてくれます。
視覚的快適さとエネルギー効率
目の健康の保護
寝室の照明は目に優しくなるよう配慮します。白色の照(蛍光灯のような光)では過度に明るくなりすぎます。目の疲労や、睡眠導入の面からも適切な照明照度を設計することが必要です。
調光機能付きLED照明
夜間使用する照明は、調光可能な暖色系LEDを採用し、就寝前のリラックスタイムに適した明るさに調整できるようにします。
温度・湿度管理
寝室の設計では、室温と湿度調整は、快適な睡眠環境を構築するためには最も必要度の高い要素となます。
快適な寝室をつくるためには、高性能な省エネエコハウス・・そこまでいる?の記事もお読みください
温度の調整の重要性
体温調節と睡眠の質
人間の体温は、睡眠中に自然とさがります。寝室が適切な室温(約16−20度前後が推奨されます)保たれていると、体温の自然な下降を助け、深い睡眠を促進します。
夏などで、エアコンのタイマーが切れて暑くて起きてしまう時ありますよね。それは、温度が高すぎるために、体温の下降が妨げられ、途中覚醒となって起きることが多くなります。
快適で中断されない睡眠の確保
理想的な室温を実現することで、快適な睡眠を実現することができます。室温が適切でないと、寝苦しさや、頻繁な目覚めが発生し、睡眠の質の低下を招きます。
湿度の調整の重要性
呼気による水蒸気の放出
就寝中に成人が呼吸によって排出する水蒸気の量は、一晩で250mlー350mlと言われています。室温や湿度などの環境要因によって変動します。あくまでもおおよその数字ですが、ジュース1本分の水蒸気を室内に放っていると思うと驚きです。
結露防止
寝室が密閉されていて換気が不十分な場合、就寝中の水蒸気が室内に蓄積し、湿度が高くなることがあります。その結果、結露の発生やカビの成長、快適さの低下などが生じる可能性があります。したがって、寝室には適切な換気や湿度調整が必要です。
呼吸の快適性
湿度が適切なレベルに保たれていると、空気が乾燥しすぎず、呼吸が快適になります。また、乾燥した空気は喉や鼻の粘膜を乾燥させます。その結果、風邪などのリスクを高めることに繋がります。
アレルギー問題は省エネエコ住宅で解消できる?の記事もこちらからどうぞ
換気システムとエアコンもしくはスマート空調システム
- 家全体を温度と湿度を自動で調整するスマート空調システムを導入すれば、設定した快適範囲を自動で保持します。一年中快適な睡眠環境を提供します。
- コストバランスを考え、各居室に絞る場合は、熱交換機能を持つ機械換気システムとエアコンで居室の湿度と温度を適切に保つようにします。しかしです、湿度調整や換気といった面を考慮する場合気密性に富んだ住宅を作ることが前提となります。
音の管理
高性能ガラス、高気密高断熱での防音効果
外部からの騒音を軽減するために、高性能ガラスを採用します。また、高気密高断熱の家は防音効果にも非常に優れています。音が睡眠に与える影響は非常に大きく、突然の大きな音や一定のノイズは、睡眠を中断させる可能性があります。特に深い睡眠中やREM睡眠中に起こった場合、睡眠サイクルが中断され、疲労感や集中力の低下を引き起こすことがあります。
また、不快な騒音は、ストレスホルモンのレベルを上げることがあります。リラックスできるはずの寝室での睡眠の質が低下し、逆にストレスが溜まることにも。
重要度MAXです「断熱は窓からです」の記事もこちらからどうぞ
音響の導入
壁や天井に吸音材を用いることで、内部の音の反響を抑え、さらに静かな環境を作り出します。また、穏やかでリズミカルな音楽や自然音は、睡眠リズムを整え、深い睡眠を促進する助けとなることがあります。特に、心地よい音楽を聞きながら就寝することは、心身のリラクゼーションを促進します。
空気品質の向上
高性能換気システム
自動でCO2濃度を監視し、必要に応じて外気を取り入れるシステムを導入します。
空気清浄機
寝室専用の高性能空気清浄機を設置し、ダストやアレルギー物質を常に低減します。
快適な寝具
カスタマイズ可能なマットレス
身体にフィットした寝具を選ぶことは重要です。就寝中に腰や肩などに負担がかかる場合もあります。慎重に自分の身体に合ったものを選びましょう。
通気性の高い寝具
吸湿性と通気性に優れた寝具を選びます。湿気を含んだ寝具にも当然のようにカビは発生します。いくら室内の環境が良くても、寝具の通気性が悪く、カビが生えたのでは本末転倒です。
カラースキームとインテリア
カラースキーム(色彩計画)とインテリアデザインは寝室の雰囲気と睡眠の質に大きな影響を与えます。ただ単に視覚的な快適さを提供するだけじゃありません。心理的なリラクゼーションも促進させ、結果、睡眠の質を向上させます。
カラースキームの影響
心理的影響
- 色は感情に直接的な影響を及ぼします。例えばです。青や緑は心を落ち着かせ、リラックスを助ける色とさせれています。一方、赤やオレンジといった色は、エネルギーを高める色のため、寝室では刺激が強すぎる傾向があります。
- 落ち着いた色合いは、ストレスを軽減し、深いリラクゼーションを促進するため、睡眠の導入に役立ちます。
睡眠の質の向上
柔らかなパステルカラーやニュートラルな色は、安らぎや優しさを感じさせてくれます。それにより、心地よい睡眠環境をつくりだすことができます。就寝時の心地よさが増すことで、夜間の覚醒を減らし、睡眠の質の向上につながります。
インテリアの配置とデザインの影響
快適性と機能性
- インテリアの配置は、寝室の機能性を高めてくれます。例えばです。ベッドの位置が窓から遠ざけて配置をすると、朝日が間接的に目に入るため、快適な目覚めを与えてくれます。
- 整理された空間は、心理的な落ち着きを提供し、リラックスしやすい環境を作り出します。
視覚的な調和と美的魅力
インテリアに統一感があるだけで部屋全体が調和し、視覚的に快適な空間になります。美しいデザインの壁画や、家具を置くことも重要です。こういったものは、心を落ち着かせ、日常のストレスから解放される場所となります。
個性の表現
やはりなんでもそうですが、自分の好みを反映させることが重要です。自分自身の好みに合った部屋で過ごすことは、満足度を高め、全体的な幸福感を向上させてくれます。
自然光の採用
体内時計の調整
自然光は体内時計、概日(がいじつ)リズム(24時間周期のもの)を調整するのに非常に重要となります。朝の光を浴びることで、体は「覚醒モード」に切り替わり、夜には「睡眠モード」へと移行しやすくなります。
これにより、1日を通してのエネルギーレベルが向上し、夜にはより良い睡眠が得られるようになります。朝を起きてカーテンを開けることの意味はこういった影響が大きいからなんですね。
僕は基本的にはカーテンは閉めません。いらない派です。なので、夏の朝は4時とかに目覚めることになります。鳥がうるさい。
メンタルヘルスの向上
自然光の十分な露出は、セロトニンと呼ばれる幸福感をもたらす神経伝達物質のレベルを上げてくれます。これは気分を高める効果があります。
冬場になると寒くて何か気が滅入るような気分になる時があります。こういった場合は、天気の日には日光を浴びることで、何か気分が良くなったように感じることがあります。日光浴は適度に行えば効果はてきめんですね。
睡眠の質の向上
自然光を浴びることは、夜間のメラトニンの分泌を促進します。メラトニンは、すみんを誘発するホルモンで、その分泌が正常に行われると、より深く、よりリフレッシュした睡眠が得られると言われています。
視覚的快適さ
自然光は目に優しく、読書や作業をする際の視覚的な快適さを提供してくれます。寝室は寝るだけの部屋ではない。場合もしばしばあります。自然光を取り入れることで、昼は別の部屋の機能を持たせてくれます。
自然素材の活用
珪藻土
適度な調湿性能があり、さまざまなテクスチャー(塗り模様)を取り入れることができます。ただしです、アクセントに使う程度では、珪藻土の調湿効果は期待できません。部屋全体を珪藻土にすることで、調湿効果などの恩恵が得られます。
塗り壁特有のテクスチャーをアクセントウォールとして取り入れたい場合なら大丈夫でしょう。目的が明確であるのなら、どんどん積極的に採用されるべき素材だと考えます。
木材壁(羽目板)
寝室に木材を使用することは、リラクゼーションとヒーリング効果を高めることができます。木材はその自然な質感、美しさ、そして温かみを提供することで、心理的および身体的な幾つかの利点をもたらします。
自然環境の再現
木材は自然素材です。それを取り入れることで、室内に自然を取り込むことができます。人は自然環境ににいるとき、リラックスしやすいと感じます。木材の壁を採用することで、同様のリラクゼーション効果が得られるでしょう。
ビジュアルコンフォート
木は視覚的な温かみがあり、心地よい環境をつくりだします。その温もりある色合いと自然なパターンは、心を落ち着かせ、リラックスした状態へと導きます。
空気質の改善
木材は湿度を自然に調整してくれる性質があります。適度ん場湿度は空気中の有害物質を吸着し、室内環境を適切に保つのに役立ちます。
音の吸収と反響の減少
木は音を吸収し、反響を減らす性質があります。これにより、寝室がqより静かで穏やかな空間となり、睡眠の質の向上につながります。
木材のフローリング
心地よい触感と温かみを提供する木材のフローリングを採用します。断熱や気密をしっかりしていれば、冬の日射をうまく取り込むことで、夜間でも床の冷たさは気にならない程度でしょう。
実はウソだった・・無垢のフローリングが暖かいなんて・・の記事もこちらからどうぞ
植物の配置
寝室には植物を配置するようにします。酸素を供給するだけでなく、心を落ち着かせる効果も期待できるからです。僕も観葉植物などは好きで、自分でも育ててますが、以下は僕が考える寝室に置いたら落ち着く植物たちです。
サンセベリア(別名:スネークプラントまたは虎の尾)
空気の浄化作用が高く、特に夜間に二酸化炭素を酸素に変える能力者でもあります。光が少ない環境でも育ちやすいため、寝室にはぴったりだとおもいます。また、大きさも大中小とありますので、寝室にあったサイズを選べばより効果的です。
アロエベラ
空気中のホルムアルデヒドなどの有害物質を除去する効果があります。こちらの彼も、夜間に酸素を放出することで空気質を改善します。育てやすく、直射日光を避ければ室内でよく育ちます。寝室にちょうどいいやつです。
ポトス
育てやすくていいやつの代表格ポトス。強い浄化作用を持っています。空気中の有害物質を吸収しやすく、育てやすいのでお勧めです。に影でもよく成長してくれます。増やすのも簡単なので是非増やしまくってください。
ゴムの木
大気中の有害物質を吸収する能力があり、特にホルムアルデヒドの除去などに効果的です。また、比較的手入れが簡単で日陰で育つので、寝室に向いていますね。大きくなると存在感が増すので、どこまで大きくするのかをしっかりと決めて、鉢を選定していくようにしましょう。
まとめ
これらの要素が総合的に作用することで、寝室はただの睡眠の場所を超え、日々の生活で最も重要なリラクゼーションとリフレッシュの場所となります。心理的な快適さや睡眠の質を向上させるためにも、目的を明確にし、設計を進めることが大切になります。
寝室は寝るための箱ではありません。快適に自分たちの1日の疲れを癒す場所です。さまざまな設計要素を組み合わせることで、睡眠の質を高めます。また、日々の生活の質を向上させることができるのです。
寝室はご家族一人ひとりのニーズに沿った形で、設計を進めていくことが重要です。KEEL PROJECTは高性能な省エネハウスを「風が住まう家」を通じて寝室の設計にも力を入れています。
快適な睡眠は、生活の質の向上にもつながります。ぜひ、一度KEEL PROJECTに遊びに来てください。