住宅リノベーションの相談を最近よくうけます。京都のデザイン設計工務店KEEL PROJECTです。
多くの方がなぜリノベーションを選択肢に入れるのか。を、しっかりと明確にできていない場合があります。
今回は、住宅リノベーションのメリットとデメリットについて考えていきます。
目次
住宅リノベーションのメリット
費用効率
最もこの費用効率の部分に対して、新築を建てるよりもリノベーションの方が安く工事ができると。考える方が多いでしょう。
この辺りは、コストがダウンするのは確かにあります。
建物の基礎や構造が健全であれば、大規模な構造変更が不要であり、費用を大幅に節約できます。
ただしです、リノベーションで工事費を安くするためにはそれなりの計画が必要となります。
建物の状態
既存の住宅の基礎や構造が健全であれば、補強や修繕が不必要なため全体の工事費は抑えられます。しかしです、浴室を解体したらシロアリにやられてた。なんてことはしょっちゅうです。また、空き家などをリノベーションする場合も増えてきていますが、家の傾きなど生活に支障をきたす場合があります。
そういった場合、新築と同程度、もしくはそれ以上の費用がかかる場合があります。
住宅リノベーションの目的
軽度な改修程度でいいのであれば費用は抑えられます。ですが、全面的な改修や高性能な断熱機密などにアップグレードする場合は、コストが高くなる可能性があります。
また、耐震性への信頼度は、やはり新築住宅に劣ると言わざるえません。
こういったことを複合的に考えて計画することが重要です。
住宅リノベーション・・・予想外のコスト
解体や施工中に隠れた問題が見つかることがあり、その修繕が追加コストとなります。見積もり時点での不確実性があるため、余裕を持った予算管理が必要となります。
空き家をリノベーションする場合などは、必ず予算にゆとりを持たせることが重要となります。突発的な瑕疵が発見される場合があることをしっかりと認識することが必要ですね。
税制優遇や補助金
リノベーションには、自治体や国からの補助金や税制優遇措置が適用される場合があり、これが費用効率に大きく影響します。
しかしです、補助金や助成金などを当てにするのではなく、しっかりとした予算計画を組むことが何より重要です。
立地の優位性
住宅リノベーションを選択する最大のメリットは立地の優位性でしょう。
現在では、空き家の問題が多発しています。立地が何より優先されるライフスタイルの場合、空き家などを選択し住宅リノベーションをすることはメリットでしかありません。
駅や学校、職場へのアクセスが良いなど、すでに確立された立地に住み続けることができます。
既存のコミュニティ
よくあるのが、子供の学区問題でしょう。親からすればお気に入りの学区に通わせてあげたい。という気持ちが全面にでるとおもいます。ですが、京都市のような新築住宅を建てる要素がそもそも少ない場合、学区を選んでの土地選びは困難になります。ただ、京都市は空き家問題が多発している都市でもあります。上手く空き家を探すことができれば、理想の立地での住宅リノベーションができる場合があります。
アクセス
交通機関や主要な道路へのアクセスが良い場所では、新築用の土地を見つけるのが難しいため、既存の住宅をリノベーションして活用することが便利です。
資産価値
人気エリアの既存の住宅は、その立地によって資産価値が維持または向上する可能性があり、長期的に見ても投資価値が高くなります。現在では、家は住み替えることも主流になりつつあります。そういった側面から見た場合、立地の優先度などは高くなりがちです。
景観と文化
特定の歴史的建造物や景観地区の既存物件を活用することで、その地域の文化や歴史を保護しつつ、現代的な利便性を取り入れることができます。
これらの理由から、住宅リノベーションを選ぶ際に立地の優位性が最大のメリットとなるのは理解できますね。
環境への配慮
木造住宅をリノベーションを選択する場合、環境への配慮といった側面も今後考えていかなければならない事項だと考えます。
建材の再利用や、廃棄物の削減により、新築よりも環境負荷を低減できます。
エネルギー効率を向上させることで、光熱費を削減し、持続可能なライフスタイルを実現できます。
個性とカスタマイズ
既存のレイアウトにとらわれず、独自のデザインを組み込むことができます。
また、古い柱、扉、壁、天井といったヴィンテージの再利用は、他には無い雰囲気をつくりだしてくれます。古い素材をどう活かすのかといった側面を考えるのも、住宅リノベーションの楽しみの一つですね。
住宅リノベーションのデメリット
予算の予測困難性
建物の解体中に予想外の劣化や問題が発見され、予算を上回る修繕費が必要になることがあります。
工事中に構造の欠陥やなどが発見され、追加の安全対策や撤去が必要になることも。
住宅リノベーションを選択肢に入れる場合、目星がついた時点で、耐震診断、もしくは住宅瑕疵調査などを受けることが重要となります。この辺りはしっかりとお金を払ってでも実施してください。
後々の費用を考える場合、トータルで安く工事を実施することが可能となります。
時間の遅延
思いがけない修繕や許可の問題が、スケジュールの遅延を引き起こすことがあります。
特定の材料や職人が必要な場合、手配に時間がかかる可能性も。
先にも書きましたが、必ず耐震診断、住宅瑕疵調査を受けてください。
また、自分たちが望むライフスタイルはどこまでの工事が必要か。住宅リノベーションにどこまで予算を費やす必要があるのか。この辺りをしっかりと計画することが重要です。
許可と規制
古い建物は最新の建築基準法に適合していない場合があり、リノベーションで安全基準を満たすために追加の作業が必要です。
改築や外装変更には景観条例や地域の規制に従う必要があります。
構造上の制約
既存の構造や設計が、新しいデザインの柔軟性を制限する可能性があります。窓の新設や必要な設備(例えば配管、電気配線など)を組み込むスペースが限られていることもあります。
まとめ
木造住宅のリノベーションにはメリットデメリットがしっかりとあります。
新築住宅もリフォーム、リノベーションも関係ありません。
必要なのは「自分たちのライフスタイルには何が必要なのか」
この辺りをしっかりと明確にすることで、余計な予算をかけずに、自分たちらしいライフスタイルを形成することができるのです。
新築住宅に関わらず、住宅リノベーションでもこういった考えは必要です。